大福茶(おおぶくちゃ)をいただく

新年を迎える武者小路千家での、
大晦日から元旦にかけて、
大福茶(おおぶくちゃ)をいただく様子を、
昨日NHK教育TVで見させてもらった。

元旦をむかえる準備の大晦日、
武者小路千家の門に、
一対の松飾りが飾られた。

「根引きの松」といい、正月飾りとして、
私たちもよく目にするもの。

地面に近い場所につけられ、
神が、その松に巻かれた紙を通して宿り、
根を通してその家に根付くといわれる。

そして、主連縄(しめなわ)を飾り、
神をお迎えすると解説された。

「一つ、一つの飾りにも、
意味があり、改めて知る事となった。

400年の伝統を受け継ぐ、
武者小路家の行舟亭にて、
家族、内弟子でその年最後のお茶をいただく、
それが「大福茶」。

一服の茶をとおして、一年の労をねぎらい、
年を越すというものです。

家元・千宗守が「火」を次の年に、
伝えるために炉から炭を取り出し、
「埋め火」とよばれる番茶を使った濡れ灰にいれ、
消さないように、見守り新たな炭に伝える。

「火」を絶やさない事は、
「家」を絶やさないことを意味する。

そして、深夜若宗匠・千宗屋が、
井戸から「若水ぐみ」をし、
大福茶の水として使う。

明けて新年午前6時、
新年初めての茶席、
大福茶をいただく。

家元の手によって練られた「濃茶」を、
家族、内弟子でいただく。
人と人との「輪」「和」をつなぐ。

使うお茶碗は、
6代家元の赤楽茶碗。

最初は、跡継ぎの若宗匠へ、
親から子へ茶の湯の心を伝える。

その席に、昨日は特別に女優山口智子が招かれた。

やがて全員が濃茶を頂き、
新年の朝日を拝む。

突き上げ窓を開け、
降り注ぐ朝日に手を合わせる。

実にシンプルであるが、
こころ引き締まる光景であった。

伝統について、番組の後半でゲストの鷲田清一という方と、
家元・千宗守との語らいがあった。

以前から招かれていた鷲田だが、
なぜか敬遠して、招きに応じていなかった。

茶室はあらゆるものが、
見えるとこで繋がっているので、
覚悟がいる世界だと、鷲田は考えていた。

だからこそ、その席を経験していただき、
喜びを感じて頂きたいと、家元はいう。

宗匠はいいます、
茶の湯は、日常の世界をちょっと工夫することで、
頭の中で別世界を作る、
作法というもので。

「タイトロープ」という表現を、
家元は使っていたが、
ピッタリの表現であると関心した。

茶の湯の世界は、
決して特別なものではなく、
日常の世界と繋がりがある。

一つ、一つの所作に意味をもち、
佇まいも含め、
自分を見つめ直す機会を与えてくれる。

茶室では、武士も刀を預ける、
裸の状態で、無の状態で臨む。

「伝える」「結ぶ」、
茶の湯のキーワード。

武者小路千家「官休庵」HP




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