スタジオジブリ第3の男 鈴木敏夫

スタジオジブリというと、宮崎駿監督、高畑勲監督という二人の監督がいます。
二人の監督は、それぞれ異なったタイプの監督といえよう。

ふたりの違いは?
宮崎駿は、感性豊かなロマンティスト、一方高畑勲は徹底したリアリスト。
実に対照的な二人である。
この二人を束ねる重要なポジションにいる人物がいる。

「スタジオジブリ」第3の男といわれる鈴木敏夫・(株)スタジオジブリ代表取締役・・である。

日本の映画興行成績・歴代ベスト3を記録しているのも、
スタジオジブリの作品である。

鈴木が見せる両監督を導くてだてとは、そんな魔法のようなことがあるのか?
大変興味深く、昨日の日テレ「ゲツヨル」をみた。

「猛獣使い」そう比喩される、鈴木のなにがそうさせるのだろうか?
宮崎駿監督、高畑勲監督の二人の違いが別のところにもみられる。
宮崎駿は絵がかけるが、高畑勲は絵が書けない。

鈴木のたずなさばきが、発揮される場面があった。
トナリのトトロ(宮崎監督)、火垂の墓(高畑監督)の2作品同時上映という、
思い切った作戦を鈴木は考えた。

アニメ映画を創る上で、二人の監督にとって欠かせない存在の人物がいる。
アニメター近藤高文である。
宮崎、高畑ともに全幅の信頼をおくアニメターである。

当然、両監督ともに近藤に依頼することを希望するが、
2作品同時に書くことはいかに近藤といえどもできない。

そこで鈴木が苦慮した結果、高畑の作品を近藤に依頼することを決めた。
理由は高畑は絵が書けない、しかし宮崎は書ける。
ここは、宮崎に辛抱してもらうしかないと鈴木は判断した。

そのことを宮崎に伝えると、宮崎は激怒し「トナリのトトロ」は止めるといいだした。
それでも、鈴木は考えを変えず宮崎を待った。
あくる日、宮崎は鈴木に高畑のアシストを近藤がすることを了承したと伝えた。

鈴木は、了解した理由を聞いた。
宮崎は言った、「昨日夢の中で、近藤をぶん殴ったからもういいんだ」と。
それを聞いて鈴木はホットしたという。

宮崎のテレのようなものが夢話になったのだろう。
本当に、宮崎の夢に近藤は出てきたかどうか宮崎以外に知るよしもない。
宮崎の夢話は、ひょっとして「ホワイト・ライ」、人を傷つけない嘘ではなかったのか?
まあ、真相は闇のほうがいい。

映画セールスを左右するものにキャッチコピーがある。
ジブリ作品の全てに関わってきたのが、コピーライター糸井重里である。

ここにも、いい作品を作り上げるための鈴木のこだわりがあった。
作品「もののけ姫」のキャッチコピーをいつものように糸井に依頼した。
ところが、鈴木は糸井からの提案を何度も却下した。

鈴木の思うイメージではないから。
糸井は、これが最後と「糸井はもののけ姫のノイローゼになってしまった」
そういって、ふりしぼるように「生きろ」というキャッチコピーを書いた。

鈴木はそれを採用した。
死に物狂いの糸井の気持ちが乗り移ったキャッチコピーが、
鈴木の気持ちを捉えたのであろう。

当事者としては、精神的にも肉体的にも限界点であったろうが、
いい二人のバトルの様子を見せたもらった。
糸井は鈴木を放火魔と評していた。
糸井のアーティスト魂に火をつけたのであろう。

鈴木にとって宮崎駿監督、高畑勲監督という二人の監督に、
手がけた作品が回収(投入した資金)できたと報告できるときが、
プロデューサーとして一番嬉しい時だという。

ところがそれで終わらない。
鈴木を悩ませる宮崎の一言
「崖の上のポニョ」は回収できないように作る」と、
そういうのである。

宮崎いわく、回収できる作品は2流であると。
だから今回の「崖の上のポニョ」の作品にするために、
回収できないという。

それなら今までのは、2流なのかと。
何を言い出すんだろうかと、鈴木は宮崎を見ていたという。
鈴木にとっては、また始まったかそんな感じなのかもしれない。
宮崎のこだわりと鈴木のプロデューサとしてのこだわりの
対決がまた新たに始まっている。

宮崎のこだわり、美学がそういわしたのであろう。
が、鈴木は力強くいった。
「勿論、回収しますよ」

NHKプロフェッショナルに登場した、編修者石原正康と作家との関係において、
みられた作家において石原は一番の理解者、石原はそれぞれの作家の一番のファンという、
構図に似たものを、鈴木と宮崎駿監督、高畑勲監督との関係、特に宮崎との関係において
感じられる。

そして、スタジオジブリ初となる、海外作品の配給元になった。
その作品の日本語版の監督を高畑が担当した、
ミッシェル・オスロ監督の「アズールとアズナール」をこの夏公開する。

鈴木のねらいは、海外作品を含めすばらしい作品があるということを、
スタジオジブリの皆に認識してもらい、更なる飛躍にむすびつけようと
する意図がある。

常に危機意識を持つことを忘れないように、鈴木はそう考えているのであろう。

相手を認め合った者同士の、崇高な闘いがいい作品を生み出すのであろう。
「スタジオジブリ」の名称は、サハラ砂漠に吹く熱風(ghibli)に由来していると、
いわれている。

これからもプロデューサー鈴木の動向に世間の注目が集まるだろう!


この記事へのコメント

この記事へのトラックバック

  • 映画 DVD ラベル【魔女の宅急便】

    Excerpt: 昨日観ました??『魔女の宅急便』「魔女の宅急便」サントラ音楽集powerd by 楽市360オトンは家族全員で鑑賞ですわ(´∀`)みんなが画面にかぶりつきで何も話さないの、、話すのはCMのときだけ~~.. Weblog: 映画DVD鑑賞、ラベルも作っちゃおう! racked: 2007-07-15 00:18