若きプリンス、生命の謎に挑む 生命科学者・上田泰己

小学校5年生の時、自分は何だろう?生命はなんだろう?と疑問を持ち、
やがて大人になり、独創的なアイディアで、
生命とは何ぞやに果敢に挑む一人の若き天才科学者がいる。

NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」に、
生命科学者・上田泰己が登場、
生命の謎に立ち向かう姿を追う。

上田が解明しようとして取り組んでいるのは、体内時計、
10年におよぶ研究が大詰めを迎えている。

生命科学者・上田泰己、現在34才、「生命の時間の研究」で世界的に高い評価を受けている。
27才の大学院生の時、一般で言う教授にあたるポスト、
独立行政法人理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(CDB)、
システムバイオロジー研究チームチームリーダーとして大抜擢され迎えられた。

神戸市にある理化学研究所で23人の研究員と共に、
20のプロジェクトに取り組んでいる、若きプリンスと称される。
プリンスとは、いずれ王になる人である。

上田の下に集まっているのは、
物理、生命情報科学、コンピューター数値解析のプロなど、
多岐にわたる分野の英知が結集する。

そこで上田が常に行うのは徹底したディスカッション。
発表してからのことも考えあらゆる角度から検討する。
それにかける時間を決して惜しまない。

違う視点から議論をぶつけあうその姿は、
さも「知の異種格闘技」をみているようだ。

違う視点から思いがけない発見があり、それが斬新な発見に繋がり、
つながりが遠ければ遠いほど、新しい発見があるという。
上田には、立ち止っている余裕などない。

上田の研究によって、うつ病、不妊治療、
薬の投与の時間による効能のアップに、
体内時計のありようがかかわっており将来に光を投じている。

人類の永遠の課題、生命とは何か、
その性質、基本的な生きることを考える、
そして何をあきらめるか、生きることの様々なことに上田は挑んでいる。

理由のわからない事にこそ、鉱脈がある、
上田が常にこころに刻んでいることである。
わからない事を考えて、考えて、さらに考えて違う面白さを見つける。

脳の中の眼の奥に視交又上核と呼ばれるところに体内時計があり、
それをつかさどる時計細胞は、体の彩ゆるところにあり、
それらの中心となる指揮者が脳にあるという。

上田の現在あるのに大きく関わった人が、恩師である校長の緒方先生である。
緒方先生は型破りな人で、自ら資金を集め海外の山を制覇していた。
上田に研究者としての道を歩むように指導した。

東大医学部に進学した上田は、みずから企業に自分の研究を売り込んだ。
それは、まさに恩師緒方先生の行動力、突破力を模範としている。

失敗するわけにはいかない、上田はハイペースで論文を量産、
しかし上田は悶々とした日々を送っていた。
そんな時に、恩師から手渡された半世紀前の一冊の本「生命の本質」に、
大胆で自由な発想を見せつけられ、上田のスイッチがはいった。

口で言って、頭でわかって、心でやろうと思った。
科学は、幸せのためにあってほしいと上田は願う。

上田は、10年におよぶ研究の大詰めを迎え、大胆な実験に入る。
上田が着目した一つの時計遺伝子がある。
その時計遺伝子の時間を操るという大胆な試みをする。

遺伝子の強さ=アンプりチュードを考えなくていいのか。
上田は、考えに考え、疑うべきはうたがい、その結果無視してよいと判断した。

実験結果のデーターを読み解き、客観的なデーターをとる。
多くのデーターを読み込み、数値から何をみちびきだすか、
そこに上田が果たすべき道が繋がっている。

上田は、わかっていることより、
分からないことに好奇心をそそられる。
将来を予感させるものがありそうだと思えるから。

上田の一言、「おもしろいね」、
そう思えるものに出会った時、上田は笑顔を見せる。
上田は、これからも「生命とは何か」という人類の永遠の謎にせまる。

研究者としての強いこころ、たぐいまれな研究者魂をもち、
人間を愛し、心を大切にする上田。
失敗は許されないという大きなプレッシャーと闘いながら、
そのための万全のチェックを怠らない。

上田の未来に多くの人の生命がかかっているといっても、過言ではない。
あくなき研究者としての真摯な姿勢、謙虚な人格に感動を覚える。

目にする現実をどう読み解くか、
考えて、考えて、考え抜く上田をみていると、
混迷する今の状況に対峙するときのヒントがあるように思う。

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