ボクらの時代 若松考二×ARATA×寺島しのぶ

映画に心血を注ぎ、真摯に立ち向かう一人の監督と、
その監督の作品とのであいで映画に目覚めた俳優、
そして、その監督の本に惚れ込み自らやりたいと思った女優が映画を語る。

フジTV「ボクらの時代」
若松考二・・映画監督。26才で監督デビュー。ドキュメンタリーをベースに制作費から配給まで全てをやりぬく孤高の監督。映画に対する情熱は半端じゃない。若い人から、絶大な支持をうける。72才の時「連合赤軍 あさま山荘」を作った。

ARATA・・トップモデルから俳優の道にはいる。2008年「連合赤軍 あさま山荘」で若松組の仕事をした。若松監督とは、相思相愛の仲。

寺島しのぶ・・女優。2003年「赤目四十八滝」「ヴァイブレーター」で国内外で10以上の賞を受賞、今公開中の若松監督作品「キャタピラー」で、戦争で両手両足を失った夫の妻を熱演している。

若松監督は、寺島の出演作品を「赤目」だけしか見ていない。
そんな若松からのオファーに寺島は、信頼を受けたけれど、私で大丈夫なのかと不安を感じたと振り返る。

若松は、韓国で寺島に合った時の印象が強烈に残っており、この人に頼もうと思った。そして本が出来あがり、寺島のところに頼みにいった。お付きもなし、マネジャーもなし、メイクもなしだと、寺島につげた。寺島は、若松の思いに快諾した。寺島は、作品を理解し、ドキュメンタリータッチなのでメイクなんて出来ない、しなくていいと感じた。

たまたま、寺島は、4年ぐらい女優を休もうと思っていた時に、若松のキャタピラーの脚本に出会い、これをやらねばとの思いが湧きあがったと話す。

若松は、キャタピラーの試写を見に来た寺島の母富司 純子に脱がせたことに申しわかないと言ったが、冨司は、こんないい映画に出していただきありがとうございましたと、反対にお礼を言われた。若松監督にとっては、富司 純子は特別な存在。最敬礼をした。

寺島は、「赤目」「バイブレーター」で賞をとり、フランスでのんびりしたいと思っていた。なんでそう思ったかと、ARATAが問う。寺島は、実際問題これ以上のものがあるだろうか、賞を受賞することは残酷。モチベーションがあがらなかったと告白した。

寺島からARATAに逆質問。辞めいとおもったことはないの?と。ARATAは、すっぱっと3年間辞めた時期があった。役者を目指して入ったわけでもなく、不純な動機だったので、疲れて、自分を受け付けなくなったから。そんな時、若松組の仕事に出会い、目覚めた。

ARATAは、来る役は拒まない。がむしゃらにやってみようと考え直した。それには、若松監督も、「何でもやればいいんだよ」と、エールを送る。

最近起こった「2幼児放置事件」について話す。
若松は、母親の心理が理解出来ないという。ARATAは、トラウマがあったかもしれないが、それが事件に直結するのはどうなんだろう、そして周りに相談する環境がなかったのも問題だと考える。寺島は、子供の虐待についてはこどもがいないので分からないという。

若松にとって母は、聖母観音像みたいなもの。自分にとって大変優しい存在だった。父は殴ってばかりで、「いつか殺してやろう」なんて物騒なことをいう。今は、親が手を上げることにすぐ非難が上がると、ARATAは憂う。

こんな悲惨な事件が起こるのは何で何だろう?
若松は、こう考える。いろんなTVで学者が解析するが、理由はないというのが若松の考え。いい子でいようというレールにのせられこどもは、ストレスを感じている。それが、突然脳にスイッチが入り、事件へと発展すると、話す。

日本とフランスの親子について
フランス人のアートディレクターと結婚した寺島。フランス人は、生まれた時から子供を個人と考える。熱いものは、熱いものをさわらないとわからない。引き離した状態で、こどもを見守る。

寺島には、主人の子供がいる。11才になる。彼女は大人で、はやく子供を産んだら、ベビーシッターをしてあげるからと、彼女に激励されている。フランスでは、親子より男と女の関係が優先される。夫婦で「パパ、ママ」と呼び合うのはいけないと、主人に釘をさされている。

毎日が喧嘩だという寺島。やもう得ず英語で対決する。主人は絶対に謝らない人。最初は、自分があやまり場を取り繕っていたが、これではいけないと反発するようになった。

ARATAは、夫婦喧嘩をしていると1歳半の子供が間に割った入る。わかってやっているのか、でもわかっているようで、子供の前では喧嘩を控える。寺島は、子供の前では笑って喧嘩する、それを勧める。

今の映画界をどう思っているのだろう?
ARATAは、時代が残さないといけない作品が作りづらい環境にある。監督が大変な思いをしていると述べる。若松は、それに対し文化庁の無策を嘆く。

映画を観るのに1800円と高い日本。フランス・パリでは、900円ぐらいで、今でも娯楽の一つとして人気なんだと、寺島が日仏の違いを語る。特に単館の劇場の保護を国はしないと、訴える若松である。

ここで例の沢尻エイカの「別に」の話題が出る。
その気持ちが理解できると寺島がいう。同じ質問ばかりで、それぐらいわかってよという気持ちになる。「キャタピラー」の公開での質問には、若松監督が質問者にダメ出しをしてくれたので、助かったという。

一つの作品を作り上げるには、莫大なエネルギと情熱がいる。そう教えられた3人の映画に対する真摯な思いが伝わる話しだった。営業優先のために、良質の作品が世にでにくくなるのは、社会としての問題でしょう。目先ばかりを追いかけずに、じっくりと取り組まないといい作品を後世に残せないでしょう。

そんな中でも、がんばって映画作りに励んでいる3人の人達に敬意を表したい。

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