「とんど焼き」の始まり、始まり

天に届かんばかりの、
竹で組んだ塔に、
火をつけると、
パチ、パチ、と竹が燃え出し、
「とんど焼き」の始まり、始まり。

とんど焼きは、
お正月のフィナーレを飾り、
家に飾っていた、注連縄、お札などを
竹の塔の炎の中に投げ入れ、、
燃やし、その灰を持って帰るというもの。

とんど焼きの炎は、
こどもたちを興奮させ、
勢いよく燃えろと、
歓声が沸きあがる。

時おり、「バーン」という大きな破裂音に、
「おー」と驚きの声。

空気を含んだ竹の音である。

私たちの地域の小学校「北須磨小学校」の、
グラウンドに雨にもかかわらず、
多くの子ども達、父兄、婦人会の人たち、
地域の自治会のかたも、
消防団のひとも、
私たち、商店街の有志も、
学校の先生も、
燃え盛る炎を見守っている。

竹は、昨日の午後、
神戸市立須磨離宮公園の職員の方の協力で、
公園の竹を切りだし、
すぐ近くにある北須磨小学校へと、
関係者で運んできたものです。

時折、降る雨にも負けずに、
無事、竹の塔の燃えるのを見届け、
火が落ち着いたところで、
アルミにくるんだ芋を投げ入れる。

火が落ちたとはいえ、
火のそばに近づくと、
顔がなんとも熱い。

近づいたり、離れたりを繰り替えし、
ころあいの「焼き芋」の、
出来上がりを確かめる。

用意されたのは、800本、
ある施設の寄付によるものです。

整理番号が配られ、
先生のアナウンスで番号を呼ばれると、
出来立てのおいしい焼き芋がもらえる。

焼き芋の出来上がるのを待つ間、
冷えた体を暖めてくれる、
炊き出し、「豚汁」をいただく。

婦人会の方たちが、昨日から準備し、
炊き出してくれたものです。

「フーフー」という声が、
あちらこちらで聞こえ、
「あ、熱い」なんていいながら、
わいわいがやがやといただいた。

体が豚汁で暖まり、
焼き芋の出来具合をみることにした。

アルミホイルの上から軽く指で押さえ、
指の感触で柔らかく感じれば、
おいしい焼き芋の出来上がり。

一本、一本取り出し、
集めらられた焼き芋、
やがて先生の声で番号が呼ばれる。

いよいよみんなの手に、
焼き芋が手渡せる。

ふかふかの焼き芋、
やけどしないようにほおばると、
これが、またおいしい!

いいころあいの焼き芋の出来上がり。

悪天候にも負けず、
焼き芋たちは、
みんなの気持ちにこたえてくれた。

とんど焼きに参加したみなさんは、
口々に無事に終えられたことを喜んだ。

私たちの子供の頃は、
特別なイベントというより、
生活の中に自然とあった、
風習であった、「とんど焼き」。

無病息災を願い、
神に感謝する、
身近な存在であった。

今は、それを子ども達に伝え続けるために、
多くの人たちの、努力の積み重ねで、
かろうじて季節の風習として、
残っていっている。

体験することは、一番の学びに繋がる。

キラキラした子ども達の目に映った、
竹の燃える炎の赤を、
いつしか大きくなった時に、
思い出してくれたら、それでいい。

また、来年「とんど焼き」を無事に迎えらる様、
今年一年の無事を願う。



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