映画を創る 宮崎駿

昨日からNHKプロフェッショナル仕事の流儀の放送日が木曜から火曜に、午後10時スタートは変わらず。放送日が火曜日になって第1回目となった「映画を創る 宮崎駿・創作の秘密」。宮崎駿が素の状態で見られ、いろんな意味で厳しい内容の1時間であった。

路地を入った所に宮崎のアトリエがある。そこで次回作の映画に取組む。その誰もいないアトリエに「おはよう」と挨拶をしながら宮崎の一日が始まる。本人いわく「新入社員のような気分」だそうです。

かといってすぐに映画の仕事が始動するわけではない。宮崎駿は自分を追い込み仕事へとむかわせる。次回作は初めて舞台に海を選んだ。そこにも宮崎のこだわりがあった。海を表現するのは、自然に表現することにむずかしさを感じていたと、宮崎はいう。

GW後、そこに2人のスタッフを呼んだ。宮崎のアトリエには10数枚の「ポニョ」という金魚姫の絵が飾られていた。彼らのその絵を見たとき、宮崎の何かを感じ取ったようで一瞬笑顔がこぼれた。いよいよ新作の準備に取りかかる。新作準備室を立ち上げたのだ。

宮崎アニメのこだわりは、イメージボードというまず絵から入る。通常のアニメはまずシナリオありきなんだが、筋書きにしばられない絵から自由に発想することを大事にしている。そして「創造力という風呂敷を思いっきり広げる」のだそうです。

宮崎は「脳みそに釣り糸をたれる」という表現をつかった。何も引っかかってこないのにただむやみに釣り糸をたらしていることがよくあるという。そういう恐怖を感じるという。

宮崎は子ども達が論理で生きていないから、アニメのおもしろさがわかる。自分の論理を意識的にこわす、そうこだわりをみせた。今まで作りあげてきたものを、宮崎は破棄した。何か違うと感じた。そして「いよいよ映画作りが始まると感じたのである。常に迷いと不安、観客をどうひきこむか?

茂木はこういう。「不安を通り抜けないと脳は新しいことをはじめられない」

茂木とのインタビューで何故名声を得た今も映画をつくるのかとの問いに、宮崎は「過去は関係ない、今なにをやっているかが大事だと」。

宮崎がへそ曲がりであるかとの茂木の問いに、「自分ではそう思わないが、家内に言わせるといたって常識がないと言われる」と答えた。

最後の映画になりそうですかとの質問には「長編はね、物理的に無理ですね」と自分にいいきかせるように言った。宮崎は「老いとの闘い」にも、向き合っていかなければならないことを一番よくわかっているからです。

去年の2月宮崎はロンドンへ行った。そこでみたある画家の絵にショックを受け、今まで何を描いてきたのかと自分を全否定されたという。どこへ向かっていくか、こうなれば裸になってつくるしかないと、その人間の根源的なものが出るから、そうでないとしっぺがえしをくらうと考えた。

6月の末宮崎は息子の作品の試写会に出かけた、いやいやである。おそらく見ていられなかったのだろう。いろいろと複雑な気持ちが錯綜してたんだろう。

息子にとって宮崎アニメが父親がわりだったと、宮崎はいう。父親らしいことは、何もしてやれなかったともいった。後日人を介して「素直な作りでよかった」と息子吾郎に伝えた。

7月に入り、準備に入る前に宮崎が必ずいくところがある。瀬戸内の友人の一軒家を借り受け、こもるのである。そこで極限まで自分を追い込んで、本格的に映画の準備に入る。宮崎は不機嫌であった。

孤独になる、それが宮崎には必要なんだろう。宮崎はこんなことを言っていた「不機嫌でいたい人間。でもそれではいけないから笑顔をつくるんだ」

宮崎にとっての不機嫌は、いよいよ本格的に映画に気持ちが入ったことを表わすバロメータのようなものである。それをよく理解してくれる人たちがいる、プロデュウーサの鈴木をはじめとしていいスタッフに恵まれている。それも宮崎のすごさかもしれない。

宮崎にとって頼れるのは自分だけ、それをよくわかった人である。この後も不機嫌さをわれわれに見せてくれるだろう、そんな姿を見ていたいものである。

宮崎についてああも書こう、こうも書こうと考えたが自分の中で十分に宮崎を捉えられていない。宮崎はそう簡単に捕えることの出来る人ではない。











この記事へのコメント

さくらスイッチ
2007年03月31日 22:33
「脳みそに釣り糸を垂らす作業」

はじめまして、こんばんは。あたしもこの番組見ました。いろんな事を感じました。

宮崎監督は、鈴木Pと知り合ってからずっと「アルミのお弁当箱・中身は質素」を持参してくるそうです。で、昼夜それを食べるらしいです。だから、たま~に会食で美味しいものを食べる機会があると、すっごく美味しいの連発で感動しまくるそうです。(笑)

宮崎監督は食に限らず、質素な生活をしているそうで、だからこそ五感が研ぎ澄まされて、新鮮な感動を生み出せるのかもしれない・・・なんて言ってる鈴木Pの記事を読みました。

そんな宮崎監督の脳みそから釣り上げられる『崖の上のポニョ』、来夏の公開が楽しみですよね。

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