NHK人間ドキュメント そして映画が生まれる~勘三郎と仲間たち

昨晩午後10:00~10:50NHK間ドキュメント「そして映画が生まれる~勘三郎と仲間たち」の放送があった。18代目中村勘三郎を中心とした映画作りを通して、プロどおしのいいぶつかりあいが見られた。

映画のタイトルは『やじきた道中 てれすこ』(2007年秋松竹系全国公開予定) 十返舎一九の「東海道中膝栗毛」を原作にしたコメディー時代劇です。平山秀幸監督がメガホンを握り、主演は十八代目中村勘三郎、助演に柄本明、小泉今日子ほかとなっております。

この映画の製作プロデューサープロデューサー佐々木史朗は、自分の足で8億円という資金を集め、「やじきた道中 てれすこ」という映画の製作に取組む。映画制作には大変多くの資金がかかる。佐々木は、「いつも怖いですよ」とそう感じている。

やはりいくら最近邦画が好調といえども、映画の興行成績はふたを開けてみないとわからないからドキドキものなんでしょうね。

そもそもこの映画をやろうという話が出たのが、7年前居酒屋での雑談からという。18代目勘三郎が今の時代に何か足りないもの、忘れ去られようとしているものを映像に出来ればとかんがえていた。

18代目勘三郎のこだわりはゆったりとした時間の流れのなかで、あまりあくせくせずのんびりといこうじゃないかという。江戸時代の下町の人間のように「お天とさまと米の飯はついてまわら~な」、そういう感覚がいいなあと考える。

平山秀幸監督に十八代目中村勘三郎さんってどんな役者さんですかというような質問があった。すると平山は勘三郎さんは稀代の名優、怪優・・余計なことを全くしないひと・・このように表現した。なるほど納得出来る。

その十八代目中村勘三郎は、共演している柄本明についてはこのように言っていた。

「柄本さんは、すごい武器をもっていて常に学芸会みたいな芝居がしたいというんだよ。」

柄本がいう学芸会のような芝居とは・・子供は無心でやっているそれがいつしか教育を受け大人になり、うまいとかへたとかを意識し始めるから・・俳優ならではの奥行きの深い言葉ですね。

そしてこの映画の陣頭指揮をとる平山秀幸監督はというと、自分は映画が好きで作った作品が詠み人しらずってのがいいんだよなと考えている。平山は照れくさそうに、よくわからないんだけどそう思うんだよという。実に平山の人間性があらわれた一言である。


「やじきた道中 てれすこ」の紹介された撮影風景場面で忘れられない場面が2箇所ありました。

野次さん喜多さんが川を渡るシーンでの監督と勘三郎、柄本との話し合いがあった。プロどうしの高いレベルでのそのシーンの解釈を具体的に表現するには、こうしてはと2人の役者から出される。その2人の考えは、監督も持っていたようで即座にそれを取り入れ無事その場面を取り終えた。

やはりいい作品に仕上げたいという思いが、お互いに通じ合った場面であった。

もう一つは、勘三郎が演じる野次さんが「てれすこ」を食べ、意識がもうろうとなりなくなった子供との再会のシーンが映し出された。勘三郎はごく自然に涙を浮かべ泣いていた。

この撮影の朝なくなった父勘三郎の墓参りに行ってきたという。そのことによってなくなった父の力を借りたそんな感じがすると語っていた。名優といわれる人でもどう演じようと悩む大事なシーンを撮る時は物言わぬ亡き父に語りかけるのだなと、いい場面にめぐり合った気がする。







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