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zoom RSS 石工一代、叩(たた)あげ 石工・左野 勝司

<<   作成日時 : 2012/05/29 12:30   >>

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石工として愚直に、石に黙々と打ち込む姿勢は、見る人の共感を呼ぶ。昨日のNHK「プロフェッショナル仕事の流儀」で紹介された石工・左野勝司が石に向かう真摯な姿勢は、私たちが生きる上で、何が大切かを教えてくれた。

石工・左野勝司は、石に向き合い55年、腕一つで、イースターのモアイ像やエジプトのスフィンクスの保存修理、高松塚古墳の保存という国家プロジェクトに関わった、日本は勿論、世界的に認められた石工である。

左野の朝は早い。毎朝、5時に起き、自分の事務所に向かう。まず、することは、50種類をこえる、海外の仕事で現地の人にもらった帽子の中から、一つを選びかぶること。いつも、共に仕事をしたこと、一緒に汗した人の気持ちを大切にしているからだ。左野は、以前は会社を経営していたが、ある事情で今は、フリーで仕事をうけている。

左野は、依頼された仕事に使う石を選びに高松へと向かった。
現地で石に向き合う時、必ずすることがある。

”石の目を読む”
最初にどこを叩けばいいか、その位置がわかる。それでないと、石は叩けないという。

左野には、長年使い込んだ道具がたくさんある。中でもなにより頼りになるのは、左野の右腕。左野の右腕は、左手とくらべ、指はながく、手の厚みも数段暑い。その手が、銭を生んでくれたと、左野はかたった。

石工・左野が仕事に向き合う時、常に心に刻んでいることがある。
”手間を惜しむな、積み上げろ”

無駄となってしまった自分の仕事も、それを惜しまず、経験として積み上げていけば、いつかは役に立つと考えてやってきた。

左野は、昭和18年、石工の次男坊として生まれた。家は貧しく、中学を卒業する前に病気になり、就職につけず、しかたなく石工になった。当時、石工は大工より下に見られていた。何とかしてやろうと負けん気でがんばった。下積み生活を続け、19才の時、左野は、思いたって海外にでた。

フランスの凱旋門、インドのタージマハールを訪れ、現地で飛び入りで働き、指導をこうてきた。半年後帰国して、石工として技術を磨き続けた。25才の時、大きな仕事が舞い込んだ。唐招提寺の修復。半年間、左野は、がむしゃらに働いた。

左野のひたむきさに目をかけていた一人の人がいた。唐招提寺の高僧である長老、森本。ある時、左野は、長老にお茶席に呼ばれた。左野とっては、全く無縁の世界、気どらない世界のほうがよかった。その時に、長老から何冊の本を手渡された。それらの本は、文化財の歴史やその修理方法についてかかれたものだった。

左野は、長老から差し出された本に、負けてたまるかと、懸に向き合った。こうして、左野と長老の不思議な関係がつづいた。

左野45才の時、人生を揺るがす事件がおきた。左野が仕事をうけおっていた現場が、原因不明の火事にみまわれ、8000万円の損害となり、その責任を左野がとることになり、8000万円の負債をおった。

それを見かねた森本長老は、左野の積み上げ着て物を無にしてなならないと、全財産を使えと差しだした。しかし、左野は、その気持ちだけ有難く受け、自力で返済すると覚悟を決めた。何故なら、そこまでして、長老が自分のことを見守ってくれていたことに対する、自分なりの答えだった。

それから、左野は、会社を整理し、フリーの石工としてどんな仕事でもことわらず頑張った。

長老に、怒鳴られ、叱られ、幾度となく「阿保」といわれと、言われ続けて来た左野。やがて、長老は他界した。左野は、長老の墓を自らの手で建て、一仕事終える度に、墓前に報告に来る。

今、左野は、アンコールワット遺跡の修復のための現地の人材育成にたずさわり、カンボジヤを往復している。現地で石工を育て、石工のリーダーとなる人材を発掘し、育てるのが、左野に託された使命だ。

左野は、現地で一人の真面目な石工ポンさんに目とつけた。あえて、最初はみているだけにした。石に黙々と向き合うポンさんをリーダーに育てようと、左野の考えを伝えた。

ポンさんがこだわりをもってした仕事が採用されなかった。何故、採用されなかったかを、しっかりとみせた左野。今回は、自分の作ったものが無駄になったが、諦めずに積み上げていくことが大事だとさとした。

無駄が、プラスになればいい。リーダーとして、“悔しさを、糧とせよ”と。左野は、ポンさんにつたえた。

左野は、帰国前に石工たちと飲み会をし、彼らの労をなぎらった。翌日、左野の気持ちを理解したポンさんは、翌日から一から真摯に石に向かった。その姿を見た左野は、帰国の途についた。また、予定としてカンボジヤに訪れることになっている。

愚直さ、なにくそという負けじ魂、どこかに人間としての素直さをもっている、大変魅力的な人です。その人の積み上げてきた、キャリアが、その人の顔をつくっていく。左野の笑顔が、物がたっていた。

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