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zoom RSS 熟成の向こうに、極上がある ソムリエ佐藤陽一

<<   作成日時 : 2007/06/20 15:47   >>

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東京・六本木のレストラン、そこが仕事場、一昨年全日本ソムリエ選手権を制し、3年に一度のギリシャで行われる「世界最優秀ソムリエコンクール」に挑戦する、物静かなチャレンジャー、ソムリエ佐藤陽一が、「プロフェッショナル・仕事の流儀」のゲストとして登場した。

7年前にオープンした、22席の店で接客の全てを、佐藤が引き受ける。メンバーは妻と調理場スタッフが2人である。店の準備は、佐藤ひとりでする。それがよそ見には、大変そうだが、本人はいたって苦にしていない、かえって楽しんでいるように見える。

2階のワイン倉庫にある約800種類のワイン全てが、頭に入っているという。そのワイン達を毎日見守るのも佐藤の大事な仕事である。

佐藤のこだわりであり、佐藤ならではといえるのが、自分で店を構えてソムリエの研鑽にはげんでいるところにある。大抵ソムリエといえば、一流ホテル、一流レストランでスキルアップするものだが、佐藤は接客を肌で感じることを大切にしたい思いで、あえてリスクをはって店を構えている。

佐藤を物語る上で、もっとも重要なキーワードとなるのが、「ソムリエ=森林ガイド」という考え方にある。森林をより知ってもらい、楽しんでもらうための手助け、知識の押し売りはしない。

単にワインの説明をし、薀蓄をかたるのではなく、お客様の立場になり、その表情、会話の様子を聞いて、その時ならではのワインを提供する、佐藤はソムリエとして基本においていることである。決してワインリストを見せることから、始まらない。

お客様との会話のなかに、さりげなくワインの産地で仕入れた面白話などを挟みながら、いつとはなし、自然とワインの世界にお客様を誘う、そのような姿勢が感じられた。

お客様が疲れ気味の様子と見るや、軽めのワインをだし、そのワインからまた別の話が咲く。少しお客様の顔が和む。佐藤にとって、珠玉の時である。それを「客を感じる」というのだろう。

佐藤が常に心にきざんでいるのは、「熟成」という概念である。自分を追い込み、目標を設定し、熟成していく。必ずしも、熟成するとは限らない。毎日地道な努力の積み重ね、それが熟成へと繋がると佐藤は信じている。

プロならではの記憶術、何百種類のワインを4つぐらいのグループに分け、マップにみたて、そのなかに当てはめていくのだそうだ。聞くと簡単なようだが、これは日頃の訓練でえた佐藤ならではの、手法である。

佐藤が店をもつことになったのは、本当のサービスとは何かをもとめて出した結論である。大学を中退し、フランスに渡り、そこで出会ったソムリエに猛アッタクの末、弟子入りする。その後順調にキャリアを重ね、高級レストランで働くようになった。

しかし数年たち、佐藤は自分は本当に客を喜ばせているのだろうかと、疑問を感じるようになる。サービスって何んだろう?1998年自信をもって臨んだ全日本ソムリエ大会で3位に終わり、他の大会にでるも優勝を逃していた。

追い詰められた佐藤は、理想のサービスを求めて、出した結論が「自分の店をひらく」ということであった。再び佐藤は海外にでて、見聞をひろめ、自分の言葉でワインを勧めるようになった。毎日がワインずくめ。

ワインは樽の中で血の出るような修行をいている。自分もそうすべきだと、佐藤は思ったのである。

そしていよいよ42歳の時、最後の挑戦と胸にひめ、優勝するとこころに誓った、世界最優秀ソムリエを選ぶ大会に挑戦の時がきた。

20年以上の経験の全てをぶつけ、自分なりに考え、たどり着いた、本当のサービスを求めて、開いた店、そこで得た毎日の体感を糧に世界最優秀ソムリエに臨んだ。が、結果はベスト4の手前、残り5人となったとことで、佐藤の名前がコールされた。

一人の差が、明暗を分けた。精一杯やった佐藤に家族もなっとく。自分の生き様を子供にもみせることができた。そのことに、佐藤はいささかの言い訳も、後悔もしない。

ただ何かが足りなかったと反省する。さらなる「熟成」を求めて、自分の店で何をするではなく、客の様子に気をくばり、客同士の会話が、佐藤にワインのイメージを与えてくれるという、毎日をかさねながら、本当のサービスを追及する。

おそらく佐藤にとって、永遠に求め続けるであろう、「本当のサービス」。ゴールははたしてあるのだろうか?

佐藤の好きな、フランスの言葉・・"ゆっくり行くものは、遠くへ行く”。
諦めない気持ち、情熱、それが支え、今まで一度もソムリエという仕事を嫌だと思わなかったという。

また、どのようなキャリアを重ねるのか、これからの佐藤にエールを送りたい。





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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
はじめまして!
福岡でジュエリーのデザイン製作を手がけているものです。
不躾で恐縮ですが、
貴ブログの記事へのリンクを
組ませていただきましたので、
ご報告までコメントさせていただきます。

許可をいただいてからというのが筋かと
思いましたが、ブログということもあり
心が動いたときに・・・と勝手ながら
組ませていただきました。
http://blog.goo.ne.jp/takeshi0433/e/19ec825d326ad32d33509b35a7b14dba
ご不快でしたら、ご一報いただければすぐに削除
いたします。

半分見逃した回にちりばめられた様々な
示唆をシニアブロガー様のおかげで
体感させていただきました。
ありがとうございました。
原 武史
2007/06/27 17:35

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